ふすまとは

襖(ふすま)は防風・防寒・吸音・調湿など高い機能性、ふすま絵などにみられる装飾性、および張替え・補修の安易さなどの耐用性において優れた特性を有する、他の国にはない日本独特の間仕切建具です。

ふすまは部屋の間仕切りや押入などに使われています。ふすまによって部屋と部屋、部屋と廊下などが仕切られていくという住居の形式が、平安時代から1000年以上たった今日にもおよんでいます。

ふすまの特徴は、ふすま紙を張替えて新しくすることで、お部屋の雰囲気を変えることができ、何十年にもわたって継続使用することができるので、実用とインテリアをかねた建具として、日本の住まいに生かされています。

しかし、現代の住宅は畳敷きの日本間から洋間に変わってきています。

和風と洋風の併用された今日の住宅の中で、ふすまの特性を生かし、より豊かな生活空間を作るために、これからのふすまのあり方を考えなければなりません。

ふすまの構造

ふすまは基本的には1.下地、2.ふすま紙、3.縁、4.引手によって構成されています。

1.下地

本ふすま 木製の周辺カマチと縦3本、横11本の組子で障子のように組んだ骨地の上に銅貼と呼ばれる紙を貼ったもので、昔ながらの下地です。

何度でも張替えが可能です。

チップボールふすま 木製の周辺カマチと縦3本、横11本の組子で障子のように組んだ骨地の上にチップボール紙をホットプレス機で貼り上げたもので、現在の住宅では最も普及している下地です。

何度でも張替えが可能です。

戸ふすま 簡単に組んだ骨地の上に合板を貼ったもので、裏面は合板やクロス貼りになっていて、洋間と和室の間仕切りによく使用されます。

何度でも張替えが可能です。

ダンボールふすま 厚手のダンボールを3重に重ねた芯材にアルミ箔を貼ったもので、量産性が高く、低コストでできます。

変形しやすく、張替えが難しいです。

スタイロふすま 発泡スチロールの芯材にチップボール紙とアルミ箔を貼ったもので、量産性が高く、低コストでできます。

変形しやすく、張替えが難しいです。

 

2.ふすま紙

本鳥の子 雁皮、三椏、楮を原料とした手漉きの和紙で、その色合いが鶏卵の殻の淡黄色に似ているところから鳥の子と呼ばれるようになりました。

経年により独特で上品な風合いになります。

鳥の子 本鳥の子が手漉きで作られるのに比べ、鳥の子は機械漉きで作られる和紙で、原料は雁皮、三椏、パルプを使っています。

手漉きに近い風合いのものや、色数の豊富さで好まれています。

上新鳥の子 鳥の子の普及品ですべて機械漉きのため低価格で均質という特徴があり、原料はパルプを使っています。

漉き模様や後加工による模様付けなど種類が豊富です。

新鳥の子 ふすま紙の中で最も廉価で、すべての工程を機械生産しており、原料は再生紙を使っています。

下地のすけを防ぐため茶色の紙裏が必要になります。

天然素材織物 葛の繊維を横糸に用いて織った、丈夫さと野趣に富む風合いを持つ葛布や、糸芭蕉の繊維を横糸に用いて織った、張りのある風合いを持つ芭蕉布などがあります。

素材の性質上一枚ごとに織り上がりの風合いが違います。

上級織物 ドビー織りなど縦糸・横糸ともに糸目の詰んだ織物で、縦糸にレーヨン糸、横糸に木綿のスラブ糸、ネップ糸や絹などを用いています。

施される絵柄も手加工による凝ったものが多く作られています。

中級織物 一般的によく用いられる織物で、縦糸・横糸ともにレーヨン糸が用いられています。

絵柄は最新の印刷技術を駆使して加工されています。

 

3.縁

塗り縁 杉、ひのき、スプルース、米杉などの下地に、漆、カシュー、ラッカーなどの塗料を塗った縁で、汚れが付きにくく、耐久性に富んでいます。
生地縁 塗装をせず木の木目をそのままに生かした縁で、杉、ひのき、スプルース、米杉などが用いられ、洋風の部屋にもよく合います。経年により日焼けをします。
ラッピング縁 耐水、耐摩耗、ホルムアルデヒドのテストをクリアした表面樹脂コーティング加工のプリント強化紙を、均一安全性に優れた特殊積層材にラッピングした縁です。

 

4.引手

引手はふすまを開け閉めする際に手をかける器具という実用面と、ふすま紙の柄を引き立てて和室全体のアクセントになるという装飾面との二つの役割を果たします。

引手のデザインはじつにさまざまで、既製品だけでも1000種類は越えます。その形は丸形、楕円形、角形、長方形、木瓜形、利休形などに大別されます。

引手の材質は、金、銀、銅、真鍮、鉄、ステンレスなどの金物引手と、黒檀、かえで、桜、桑、竹などの木地引手があります。

 

10月10日はふすまの日です

なぜ10月10日といいますと、毎年10月ごろによし戸というよしを編んではめ込んだ夏用の戸を、ふすまに変える生活習慣があったという時期的なものと、十月十日の文字にふすまの組子のイメージを重ね合わせて、戸月戸日の語呂合わせから10月10日になりました。

 

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